寒く水が凍結するトイレを暖かくする
トイレリフォーム をしました。
冬になると、寒いし水が凍るし 今まで我慢して使ってきたけど、便器も古く汚れがついてきたので、思い切ってリフォームしたい。
というご依頼をお受けしました。
写真のとおり、内装はタイル材。床もタイル材。昭和時代水洗化が一気に普及した当時のままです。
タイル貼りのトイレは、経験上 9割方 断熱材が入っていません。
他現場でも、解体するべく壁や床をばらした後にすぐ外壁材がみえてくる現場を見るたび、『これは寒かったでしょう』と思ってしまいます。
部屋間取りの関係上、トイレを含む水まわりは、北面西面に配置されることが多く、冬特有の強烈な吹雪き(西風)をまともに受けざるを得ません。そして、仕方がないのですが、この寒い部屋で、服を脱ぎ裸になるんですよね。 体に負荷がかからないわけがない。
トイレをリフォームするメリット
①:カベ・床に断熱材を入れて、断熱効果を得ることができる。
外気温と室温がさほど変わらないというのは、あまりに辛くありませんか? 夏はさておき、冬の間、風がない室内において配管内の水が凍結するのは、氷点下5度以下の場合です。 居間と同じ23℃まで上げる必要はありません。 とはいえせめて10度位までは欲しい。
新築物件や全面リフォームですと全館暖房が可能で、部屋ごとの温度変化がないように快適な空間をすることができます。 今回のようなスッポト的なリフォームですと、劇的な変化というのも難しい。 それでもトイレに断熱材をきちんと施し、小さなファンヒーターをつければ、暖まりやすいですし下がりにくくなります。
②:節水型便器に取り替えることで、使う水の量が劇的に変わる。
およそ30年から40年前の便器ですと、一回の水の使用量が、約12ℓ。ペットボトル2ℓ6本分使っていました。 現在では、節水機能がほぼ標準化され当たり前になり、使用量は約5ℓ TOTOからは、3.8ℓという驚愕な数字を出す便器まであります。
一年間にすると、4人家族で比較しますと、12ℓの場合→54,000ℓ(54トン)が 4ℓの場合→18,000ℓ(18トン)にまで減ります。 使用水量が減るということは、水道料金も減ると同意ですので、節約になります。
③:床をフラットにしてバリアフリー化 手すりも補強材なしで自由設置
トイレリフォームは床をバリアフリーにする最大のチャンスです。大きな段差ではつまずくことはないのですが、わずか1cmの段差でつまずきます。
トイレドアを残す(再利用)場合は、完全に段差をなくすことはできませんが、それでも1~2㎜以内に納めることは可能です。
また、かべを解体するので、壁の中に補強材を埋め込めば、その補強材が見えることなく、自由に手すりを設けることができます。
リフォーム①:解体して断熱材をいれる
なにせ、相手がタイルで手間はかかります。 ですが解体しないことには始まりません。
解体後は、耐火ボードが貼りやすいように、下地調整を行ったり、足りないところには下地材を新たに打ち込みます。また、下地自体も歪んでいたり、かねてが出てなかったりとさまざまです。
根気よく床天井含め6面作っていきます。
床坪数は半坪強なので狭いです。 その割に施工する工程は多い。。。
断熱材はグラスウール材:密度16㎏厚さ100㎜です。隙間なく埋め込みます。高性能品で少しオーバースペック気味ですが、費用自体はあまりかわりません。
写真を撮るのが忘れました。 当然床も断熱材を敷きました。
この上に12㎜の合板を捨て貼りし、さらにフローリングで仕上がりです。
実は、木材もすぐれた断熱効果があります。極寒の欧州でも昔から窓枠は木造です。つまり熱を伝えにくい。
その意味でも、床も断熱材の上に合板+フローリングにすることによって、足元がひやっとなりにくいです。
▷断熱材の熱伝導率 参考リンク記事 住宅のウラ(準備中)
リフォーム②:耐火ボードをはり、新しい便器を取付ける
カベにクロス工事をしてから、新しい便器を取付け。
洋風便器・シャワー便座・タナ手すり・小物入れ等々の設備機器はLIXILです。もちろん節水型便器。ECO5 タンク容量5リットル。
リフォーム前は、冬に凍結防止材を便器トラップ部に入れていました。
このたびヒーター付き便器を選択しましたので、それも今後その心配は無用です。
これに電気ファンヒーターで、部屋を暖めれば、だいぶ快適になります。
このリフォームの費用
この一連のリフォーム
タイル解体廃棄処分
下地調整・補強・断熱施工
内装工事
給排水切り回し工事
電気・換気扇工事
大便器+ウォシュレット+棚付き手すり+コーナーキャビネット
小便器
諸経費+消費税
67万円です。
なお、同じ工事内容でも、現場状態によって費用は変化します。
参考程度の金額として参考にして下さい。